更年期症状には漢方薬が効く

更年期障害は閉経の前後10年、閉経の平均年齢が50歳なので45歳〜55歳の女性にみられます。生活環境やストレス・性格によって長引く人や症状が強くでます。ストレス社会の影響で30代女性でも症状を訴える人がいます。漢方薬は、更年期の不定愁訴と相性が良くカラダの状態によって処方される薬が変わります。代表的なお薬は加味逍遥散、実証タイプには桂枝茯苓丸。虚証タイプには当帰芍薬散

 

 

代表的な症状が発汗、ホットフラッシュ、のぼせ、ほてりなどです。顔や頭や首は、ドカドカと熱くなるのに体の末端部分である手足の冷えがみられることがあります。このような状態を「冷えのぼせ」といいます。

 

女性に多い冷えのぼせは、更年期症状ではなく冷え性が悪化したもの。原因は、生活環境(食生活の乱れや運動不足)。プチ更年期(プレ更年期)の20代30代でもみられる症状です。

 

イライラ・肥満・頭が重い・疲れやすい・肩こり・腰痛・眠りが浅い・耳鳴り・立ちくらみ・めまい・ムカムカやアリがはうような気持ち悪さなど更年期の不定愁訴は「血の巡りの悪さ」が原因なので「血のめぐり」を意識すると体質改善でき更年期の不快症状を和らげることができます。

 

虚証と実証の調べ方

 

質問票 はい どちらでもない いいえ 点数
筋肉質である 6 3 0  
固太りである 6 3 0  
皮膚にツヤがある 4 0  
お腹に弾力がある 8 4 0  
食べすぎても平気 6 3 0  
早食いである 6 3 0  
便が出ないと不快 6 3 0  
暑さに強い 6 3 0  
手足が冷える 6 3 0  
活動的である 6 3 0  
疲れを感じない 6 3 0  
声はちからづよい 8 4 0  
行動に余裕がある 8 4 0  
胃腸薬は苦い方が飲みやすい 6 3 0  
寝汗はかかないほうである 8 4 0  

0〜30点 虚証
31〜60点 中間証
61〜100点 実証

 

漢方では、虚弱体質・無力性体質・内臓下垂体質・強緩性体質を虚証といいます。体力があり自然治癒力も高い人は実証といいます。同じ人でも体調が悪いときは、虚証タイプになります。あなたは、何点でしたか?私は、「実証」タイプでしたが今は、女性ホルモン補充療法をしているので体調も良いからだと思います。一時期はうつ病みたいな状態でしたからね。閉経後はうつ病になりやすいそうですよ


 


血の巡りを良くする方法

肩甲骨

血の巡りを良くするポイントがあるので実践すると良いでしょう。血の巡りを良くするためには30分以上の有酸素運動がおすすめ。30分ぐらいウォーキングを続けると手足の先や体中ポカポカしてきます。有酸素運動は、もちろん良いのですが時短メニューで実践して欲しいのが体幹リセットエクササイズです。

 

簡単に説明すれば普段使われていない肩甲骨とお尻と太ももの裏側の筋肉を鍛えることで血の巡りがよくなり自然に痩せることができる一石二鳥の方法です。ただ動かせば良いというわけではありません。自己流のエクササイズは逆効果、やりすぎも逆効果です。モデルが秘密にしたがる体幹リセットダイエット本が届くまで3週間ほどあったのでYouTubeを見ながら見よう見まねで試したら腰痛がひどくなりました!間違った方法で試しては効果がありません。

 

血の巡りが良くなるので冷えにくい体になります。肩こり腰痛も和らぎ基礎代謝があがるのでダイエットにも効果的。更年期肥満でお悩みのかた、ぜひ試してみてください。私は、体重を落とすのが目的ではじめましたが体重が落ち始めるのに時間がかかったものの1週間ぐらいでサイズダウンできました。(ヒップサイズとウェストサイズ)5分だけのエクササイズでカラダが温まるのは、はじめたその日から実感できました。

 

もともとの筋肉や脂肪の量にもよって個人差がありますがカラダのラインは、1週間〜2週間程で変わります。長時間有酸素運動を続けていた自分ってバカみたい!思いました。詳しい内容は、こちら→金スマで紹介された佐久間健一さんモデルが秘密にしたがる体幹リセットダイエット

 

ふだん使っていそうで使っていない骨格や筋肉を動かすことで基礎代謝が上がり血の巡りがよくなるのでカラダの不調の改善につながるというわけ。

 


使われていない骨格筋を動かし女性ホルモンのバランスを整える

僧帽筋・肩甲骨

 

スマホやパソコンに向かう現代人、肩甲骨・僧帽筋などの骨格筋は縮こまっています。これらの筋肉は、普段生活の中で動かすことはありません。一流のアスリートになると肩甲骨や僧帽筋を鍛え可動域を広くパフォーマンスを上げるのに役立てていますが軽い運動やスポーツをしていても鍛えられていないのが実情です。この筋肉を動かすには、野球の投球フォームでキャッチボールをするとき意識すれば良いのですが一般女性のほとんどは、使っていない筋肉なのです。男性も女性も加齢によって筋肉量が減っていきますが女性の場合閉経を迎えることで筋肉量がガクンと減るのが更年期の頃。

 

20代30代の頃は、食事制限や運動で体重が落ちていたのに40代50代になると痩せにくくなるのは、女性ホルモンが減少し筋肉量が低下するため。基礎代謝が落ちるから脂肪が蓄積されてしまうのです。基礎代謝を上げるために骨格筋を動かすことでカラダに良い癖をつけてやるのが体幹リセットダイエットのやり方です。

 

エクササイズはたった5分!それ以上やったらダメなんだそうです。普段使っていなかった筋肉を使うようにするだけなのでダイエットとしては「かなり楽」な方法なのでぜひ試してみてはいかがでしょうか?

胸鎖乳突筋

吸気筋を伸ばすと横隔膜、胸鎖乳突筋、斜角筋、外肋間筋などの筋肉が鍛えられます。ウェストひねりをしないのに有酸素運動をしなくなくてもくびれが出来てきます。お尻から太ももの裏側の筋肉もふだん使っているようで使っていないのでエクササイズで大臀筋・中殿筋・内転筋を使うと血のめぐりが良くなり体がポカポカあたたまることを実感できるはずです。体があたたまると脂肪燃焼系のカラダになるということ。血の巡りを整えることで更年期障害などの不快症状を和らげ体質改善につながります。

更年期障害を和らげる漢方薬(効果効能)

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 効果効能:血流が悪い・頭痛・頭重・冷え・めまいやむくみが強い更年期障害
温経湯(うんけいとう) 効果効能:足腰の冷え・おりもの・不眠・唇のかわきや冷えが強い更年期障害
加味逍遙散(かみしょうようさん) 効果効能:疲れやすい・精神不安・ホットフラッシュ・ほてり・発汗・のぼせ・不眠症・便秘・イライラ・ほてりが強い更年期障害
女神散(にょしんさん) 効果効能:ホットフラッシュ・ほてり・発汗・のぼせ・めまい・更年期障害
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんちんぴはんげ) 効果効能:神経過敏・神経症・不眠・イライラや神経の高ぶりが強い更年期障害
桂枝茯苓丸(けいしぶくろうがん) 効果効能:頭痛・めまい・耳鳴り・ニキビ・肌荒れ・首汗などの異常発汗を伴う更年期障害
桃核承気湯(とうかくじょうきとう) 効果効能:腰痛・頭痛・めまい・便秘を伴う更年期障害
甘麦大棗湯(かんばくだいそうとう) 効果効能:不眠・憂鬱・イライラ・ヒステリーが強い更年期障害

 

西洋医学での病気の治し方は風邪を引いているから風邪薬を飲むという考え方ですが漢方医学は、漢方薬は、カラダの状態を正常な状態に戻して自然治癒力を高めるという治し方の違いがあります。だから女性の「なんとなくの不調」と相性が良いというわけ。血の巡りをよくする方法も以下で紹介しています。漢方薬に頼るだけではなくあわせて試してみるといいかもしれません。


漢方薬で体質改善記事一覧

更年期障害は、女性ホルモンの減少が直接の原因。一人ひとりの性格・体質・環境が異なるため不調のあらわれかたに個人差があります。身体・精神の不調が天候によって強くあらわれることもあり日によって波があります。不快な状態を病院に行くほどではないと我慢する人も少なくありません。日本では、アメリカと比べて性差医療が遅れているため病気ではないのに怠けてるサボってると周囲の理解を得られないことも多いようです。漢方...

ストレス社会の現代、不調を感じる女性は少なくありません。ストレスによって女性ホルモンのバランスが崩れるのは、10代でも60代でも同じです。更年期障害は、一種の自律神経失調症ともいわれていますが自律神経失調症と同じような症状があらわれうのは、閉経が近づくと女性ホルモンが減少します。脳の視床下部は、卵巣に、女性ホルモンが足りていないからもっと女性ホルモンを出すように指令を送っても衰えた卵巣機能はこたえ...

産婦人科の三大漢方薬といえば『当帰芍薬散』『桂枝茯苓丸』『加味逍遥散』です。いずれも?(お)血を改善させる漢方薬です。加味逍遥散(かみしょうようさん)は、ストレスによって便秘と下痢を繰り返す過敏性腸症候群や神経の高ぶり、神経過敏、イライラ、怒りやすい、発汗(ホットフラッシュ・のぼせ)肩こり、頭痛、耳鳴り・めまいなどが強くあらわれる人に処方される漢方薬で自律神経を整える効果があります。自律神経は、女...

女神散

のぼせ、めまい、片頭痛や緊張型の頭痛を伴う更年期障害に効く漢方薬が女神散です。更年期症状の緩和には加味逍遥散がよく効きますが加味逍遥散が効かない場合女神散が救世主となります。更年期には様々な症状がみられますが片頭痛で嘔吐を伴う場合は、呉茱萸湯(ごしゅゆとう)や五苓散(ごれいさん)。片頭痛で嘔吐の症状がみられないときは、女神散や桂枝人参湯が合います。ストレスからくる緊張型頭痛は頭がギュッと締め付けら...

更年期症状に効く漢方薬として紹介されることが多い抑肝散、更年期で処方されやすいのは加味逍遥散。子供の夜泣きに処方される抑肝散にウンシュウミカンの果皮を乾燥させた「陳皮」とサトイモ科の植物「半夏」を加えたのが抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)。神経の高ぶりをおさえイライラ・不眠・ヒステリーを抑える漢方薬です。「陳皮」と「半夏」を加えたのが抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)か加...

月経異常、月経困難症、月経痛、月経不順、子宮内膜症、更年期障害、心因性頭痛、など女性に処方される漢方薬「桂枝茯苓丸」(けいしぶくりょうがん)。血行障害に効き更年期症状のほてり、赤ら顔、のぼせが見られる方に。当帰芍薬散よりは発汗がみられる実証の方向け。桂枝湯の配合成分は、桂皮・芍薬・大棗・甘草・生姜の5つの成分。桂枝○○と同じような似た名前の漢方薬があります。例えば芍薬が配合された漢方薬には「加」と...

漢方医学でいう「陽実証」タイプで体力がありガッチリ体型の方、固太り・肥満傾向・赤ら顔・のぼせやすい人・普段から便秘がちの方に合う漢方薬桃核承気湯(とうかくじょうきとう)。漢方成分の「桃仁(とうにん)」は、血行をうながし不安やイライラを鎮めてくれます。しかし桃核承気湯(とうかくじょうきとう)瀉下作用がある漢方薬と一面があります。成分に含まれる大黄(だいおう)と芒硝(ぼうしょう)には瀉下作用(下剤や便...

更年期女性にみられる怒りの感情や興奮・高ぶりを鎮める漢方薬が甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)。甘麦大棗湯は、不眠・うつ・自律神経失調症など心の不調に作用します。甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)の甘草(カンゾウ)は、甘い味。「大棗」も甘みがあり比較的飲みやすい漢方薬です。小麦(ショウバク)=小麦(こむぎの果実)のこと、汗をとめたり喉の渇きをおさえる効果がある大棗(タイソウ)はナツメの果実を乾燥さ...