血のめぐりを良くする漢方薬「温経湯(うんけいとう)」
ストレス社会の現代、不調を感じる女性は少なくありません。ストレスによって女性ホルモンのバランスが崩れるのは、10代でも60代でも同じです。更年期障害は、一種の自律神経失調症ともいわれていますが自律神経失調症と同じような症状があらわれうのは、閉経が近づくと女性ホルモンが減少します。脳の視床下部は、卵巣に、女性ホルモンが足りていないからもっと女性ホルモンを出すように指令を送っても衰えた卵巣機能はこたえることができず視床下部は混乱します。視床下部が混乱するため自律神経は影響を受け制御不能な発汗(首汗・顔汗)やホットフラッシュなどの不快な症状があらわれるようになります。
不調は、血のめぐりの悪さが原因
更年期症状は、性格や生活環境とストレスの3つによって症状が重くなり不調が長引いたりします。しかし不調の原因の多くは、血のめぐりが悪いのが原因。温経湯は、女性ホルモンのバランスを整え血のめぐりを良くするのに適した漢方薬です。
冷え性、肩こり、腹痛、腰痛、口唇が乾燥しやすい人、むくみやすい、生理不順、月経痛、月経困難症、更年期障害などの症状を和らげる作用がある生薬が含まれています。漢方薬は、風邪だから風邪薬というようにピンポイントで病気を治すというより今の状態を診て体格、顔色、皮膚のつやなどから病気をはねかえす力が充実している状態(いわゆる実証)か、病気を跳ね返す力が減弱している状態(いわゆる虚証)かで処方される薬が変わってくるものなので万人に合う万能薬というわけではありませんが温経湯そのものは、婦人科系で処方されやすい漢方薬の1つです。
女性の救世主「温経湯(うんけいとう)」
温経湯の生薬は、血行を良くしながらカラダがあたためる作用があるため当帰芍薬散とともに女性にとってオールマイティに効く漢方薬といえます。で成分としては、麦門冬(バクモンドウ)、 半夏(ハンゲ)、 当帰(トウキ)、 甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、 川?(センキュウ)、 牡丹皮(ボタンピ)、呉茱萸(ゴシュユ)、 阿膠(アキョウ)、カラダを温める作用の 桂皮(ケイヒ)、人参(ニンジン)、芍薬(シャクヤク)などが入っています。滋養強壮剤でおなじみの養命酒には温経湯と同じようにカラダの冷えをとり温める作用の桂皮(ケイヒ)不老長寿の万能薬である人参(ニンジン)、血の巡りをよくする芍薬(シャクヤク)が入っています。
不妊症・悪阻・乳腺炎・更年期、女性のトラブルに強い漢方薬
不妊治療をしていたとき婦人科で漢方薬を処方されました。低温期から高温期に上がらないため無排卵の可能性が高いといわれたからです。生理があっても体温グラフで二層にならないと無排卵の事が多いのだそうです。「漢方はすぐに効かない」と思いこんでいましたが体質に合う漢方薬だったようですぐに生理不順が改善しました。排卵誘発剤も使いましたが待ち望んだ妊娠がわかったときはうれしかったことを覚えています。
妊娠したら酷いつわりに悩まされました。悪阻がひどいときも漢方薬を処方されました。出産後授乳中に何度か乳腺炎(急性うっ滞性乳腺炎)を患いました。おっぱいが石みたいにカチカチになって地獄の苦しみなんですよね。乳腺炎のときは、葛根湯を飲んでいました。漢方薬は、女性の病気や不快な症状を和らげる効果があります。
市販漢方薬と病院処方の漢方薬の違い
漢方薬はドラッグストアにもありますが漢方外来や漢方内科がある病院で処方してもらったほうが安心です。漢方薬は、「西洋医学と漢方薬の組み合わせが最強」「女性の不調に漢方が合う」という感想を持ちましたが、それと同時に「飲みにくい」「苦い」「不味い」と思いました。体調によっても合うとき合わないときがありました。市販の漢方薬と病院で処方してもらう漢方薬の違いですが、使う成分は同じでも入っている量が違うので市販品より処方されたもののほうが効果があるといえそうです。サプリメントは、病院に行くほどではないけど不調を感じている人向けです。費用も違うし効き目も違います。病院に行かなければいけないほど重症なら迷わず病院の診察を受けるべきです。漢方薬は「相性」があるので主治医の先生に「この薬は効いたみたい。」「全然変わらなかった」といったことを伝えながらカラダと相談しながら選んでくれる先生が良い医師なのかもしれません。
血のめぐりチェック、更年期の不快症状を和らげる
人間の体には、骨格があり筋肉があり脂肪がついています。骨と筋肉と脂肪をとりのぞくと全身には血液が流れています。体の80%は、血管であり『血のめぐり』によって不調があらわれるといわれています。ふだん何気ない日常生活の中で『血のめぐり』を悪くする原因が思い当たるのではないでしょうか。以下はチェック項目が多いほど血の巡りが悪い人。15個以上当てはまる人は、せめて入浴習慣から見直してシャワーから湯船につかるように変えてみるだけでも血の巡りがUPします。
- パソコンに長時間向かう
- 待ち時間は、とりあえずスマホで時間をつぶす
- ダイエットしても全然痩せない
- 肌がくすんでおり顔色が悪いといわれる
- 顔が疲れているといわれがち
- 疲れが取れない
- 肩がこる
- 背中が痛い
- 腰が痛い
- 膝が痛い
- 首が回らない
- 些細な事で声を荒げて怒鳴ってしまう
- 家庭内でストレスを感じている
- 職場の人間関係にストレスを感じている
- 運動不足だ
- テレビは横になって寝転んで見ることが多い
- 睡眠不足(熟睡できない)
- 朝起きたとき体がダル重い
- 目が疲れやすい
- 顔がほてりやすい
- 湯船にはつからずシャワーで済ませることが多い
- 寒がりで手足が冷えて寝付きが悪い
- 便秘がち
- 便秘と下痢を繰り返す
- 痔である
血のめぐりが良くないと体だけでなく心にも影響を及ぼし自律神経失調症からうつ病になることもあります。質の良い血液をカラダ中にたっぷりと巡らせることが大事なことなのです。
血の巡りを改善!血流の悪さをよくする方法
血液は夜中の1時から3時に作られます。昼夜逆転にならない生活を心がけましょう。夜更かししても夜中1時〜3時には深い眠りに入っていましょう。運動は、肩甲骨周りとお尻の上の筋肉や太ももの裏側の筋肉を動かすエクササイズ(体幹リセットダイエット)が効果的。食べ物では生姜・香辛料・鮭。サプリや漢方薬で体質改善していきましょう。
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